起業して稼げる人と稼げない人、その本質的な差は、サラリーマンと起業家のマインドの違いにあります。
会社が自分に代わって負っていた”リスク”を、自分の手に取り戻すことこそが起業の本質です。多くの人は、会社に勤めていることでリスクを避けていると思っていますが、実はそれは単に他者にリスクを預けているだけに過ぎません。
自分の人生のコントロールを他人に委ねているとも言えるでしょう。このリスクを再び自分の手に取り戻すというのは、恐怖や不安と向き合うことを意味しますが、その中で得られる自由こそが起業の醍醐味なのです。
今回は、そのリスクをどう取り戻すか、そしてそれを受け入れるために必要な心構えについて、お伝えしたいと思います。
“安心な”サラリーマンと起業家のマインドの違い
この記事では、サラリーマン脳から起業家脳へのアップグレードを目指します。ちょっと厳しめに聞こえるかもしれませんが、それも大切な成長の一部。ノウハウやテクニック以前に、”稼げる人と稼げない人の本質的な差”に目を向けることが重要です。
起業の話をすると、よく聞くのが「そんな危険なことにわざわざチャレンジしなくても、安定した仕事を続けた方がいいよ」という反応です。確かに、「脱サラして起業=無謀」と捉えられるのも無理はありませんし、実際、私自身も廃業を経験しました。特に思いつきや無計画での起業では、失敗する確率は高まるばかりです。
実際、私の母も私を見るたびに「どう、うまくいってる?」と心配そうに聞いてきます。私がいくら稼いでも、母の中での”安定=サラリーマン=安心”の方程式は変わらないようです。確かに、いつもどこかフラフラしているように見える私の生活を見れば、「本当に大丈夫なのかな?」と心配になるのも無理はないかもしれませんが。
さて、サラリーマンは本当に”安心”なのでしょうか?
サラリーマンは会社にリスクを預けている
何かを始めるとき、”リスク”はつきものです。起業、新規事業、投資、あるいは転職でさえ、リスクを避けることはできません。人はリスクとリターンのバランスを天秤にかけ、少しでもリスクを減らそうと努力します。しかし、あえてリスクを取ってチャレンジすることも、時には重要です。
収入がなくなることは、誰にとっても生活に直結する大きなリスクです。この事実に異論はないでしょう。それでも、サラリーマンの多くは、自分の収入の”リスクを会社に預けている”ことに無自覚です。
例えば、以下のようなリスクが考えられます:
- 収入が減るかもしれない
- 突然、仕事がなくなるかもしれない
- 望まない単身赴任で遠方の営業所に飛ばされる
こういったリスクは、自分ではなく会社がコントロールしているのです。しかし、多くの人はそれに気づかないまま、その状況を”安定”だと思い込んでしまいます。
給料を払うのも、決めるのも、そして人事権を持っているのも会社です。こうした現実に疑問を持たないこと自体が、会社に飼いならされている証拠かもしれません。
リスクを取り戻すという覚悟
極端に聞こえるかもしれませんが、もし会社が突然あなたを解雇したり、倒産してしまったとしても、リスクを会社に預けていたのは自分です。その責任を誰かに問うことはできません。
そう、これこそが”リスク”です。そして、起業とは「本来、自分にあるべきリスクを会社から取り戻すこと」なのです。
もちろん、リストラや倒産によって収入の道が閉ざされた状況を「やった、リスクを取り戻したぞ!」と喜ぶ人はいないでしょう。しかし、起業をする上で大切なのは、こうした状況も含めてリスクを自分で受け入れ、そのリスクに向き合う覚悟を持つことです。
多くの人は起業のリスクというと、開業資金や市場の不確実性などを思い浮かべがちです。しかし、サラリーマンもまた、収入を会社に依存しているというリスクを抱えています。これは良し悪しではなく、どんな状況になっても「一家4人が安心して食べていけるか?」という観点でリスクの所在を理解することが重要です。
結局のところ、起業しようがサラリーマンでいようが、あなたがリスクを背負う覚悟を持たない限り、家族を守ることはできないのです。
まとめ:起業とはリスクを取り戻すこと
起業するということは、会社に預けていた自分のリスクを再び自分の手に取り戻すこと。その覚悟なくして、真に自分で稼いで家族を守ることはできません。
人生にはリスクがつきものです。起業とはそのリスクを再認識し、コントロールし、そして勇気を持って引き受けることで初めて見えてくるものがあります。覚悟を持ってリスクを取り戻し、自らの人生をハンドルする。それこそが起業家の本質であり、進むべき道なのです。
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この記事を書いた人 Wrote this article
Hiroaki Nakamura 起業家・ビジネス書作家
新規事業創出・ニッチビジネス・スモールビジネス構築を得意とする起業家/ビジネス書13冊出版(関連書籍含)。複数の事業展開の経験を持ち、現在は新規事業創出支援、設備メンテナンス事業、人材育成・組織開発支援と、異なる業種3社を経営。特に放置自転車問題とビジネスを掛け合わせた発想や手腕をはじめ、最小の労力で最大の結果を生み出す独自のスモールビジネス構築法に業界内外から注目を集める。