収入が断たれる恐怖にどう向き合うか

「起業して収入がなくなったらどうしよう?」という相談を受けることが多々あります。確かに収入がなくなってしまうことに不安を感じるのは当然です。

起業の失敗だけでなく、会社が倒産したりリストラされたりして、収入がなくなってしまう状況には、多くの人が不安に思うでしょう。しかし、今の日本では、仕事を選ばなければ、なんとか食べていける手段はあります。

私は「腹をくくる」とと言っているのですが、覚悟を決めれば生き抜く力を得ることができるのです。サラリーマンでも自営業でも、「覚悟を決めた人は強い」のです。その意味について、これから説明したいと思います。

明日から収入がゼロになったら?

もし、突然明日からあなたの収入がゼロになったら、どうしますか?

多くの人が想像するだけで不安になる状況だと思います。サラリーマンでも自営業でも、ほとんどの人が仕事をやめたら収入がなくなってしまうのは同じです。

リストラや倒産などで職を失った場合、サラリーマンであれば失業保険でしばらくは生活を続けられますが、それもずっと続くわけではありません。次の仕事が見つからなければ不安は大きくなるばかりです。

でも、不安に思っているだけではお金は手に入りません。生活を続けるためには、現実と向き合って行動しなければなりません。

起業したは良いが、思うような収益を得られずに貯金が減っていく状況に陥ってしまっているのであれば、とにかくアルバイトでも何でも良いので収入を作り、貯金を減らさないようにするのです。サラリーマンだとしても考え方は同じです。

しかし、この状況さえ理解しておけば、日本は素晴らしい国だと思えるのです。

日本には仕事がある、えり好みしなければ

「収入がなくなった。貯金が減っているというのに何が素晴らしいんだ?」と思うかもしれません。それは、日本はどんな形にしても収入を得ると決めたら収入を得ることができるからです。

これまでも不況だとか生活が大変だと言われていても、今の日本では、路上で困窮している人を見かけることはほとんどありません。

もちろん、ネカフェ難民などの表面化されていない問題があるのはわかります。それでも行政だけでなくNPOなども基本的にはサポートしてくれる姿勢や環境はかなり整っているのではないでしょうか。

給料が安かったり、シフトが不規則だったり、仕事がきつかったりしても、とにかく働くことはできます。アルバイトでも何でも、とりあえず働けば、生きていくことは可能です。

日本はセーフティーネットがしっかりしている

もう一度言いますが、「日本はどんな状況でも生きていくことができる国」です。もちろん、これを素直に受け入れるのは難しい人もいるのは承知していますが、それでも日本はセーフティーネットがしっかりしている国ととらえることができると思います。

その事実をしっかりと理解できれば、お金の恐怖にとらわれることは圧倒的に減ると思うのです。

起業で失敗して収入がなくなったら、またどこかで働けばよいのです。リストラされてしまったら、また仕事を探せばよいのです。

もちろん、そのために自分自身の市場価値を高めておく努力はしておいたほうが良いとは思いますが、仮に特別なスキルがないとしても、今の日本であれば仕事に困ることはありません。

腹をくくれ!何とかするのだ!

ここで伝えたいのは、「腹をくくれば何とかできる」ということです。リスクを背負うというのは、覚悟を決めることと同じです。サラリーマンでも、これから起業しようとしている人でも、すでに事業をやっている人でも、覚悟を決めた人が一番強いのです。

覚悟を決めるというのは、結果を他人のせいにしないことでもあります。サラリーマンは、自分の収入という大きなリスクを会社に預けているとも言えます。

それを理解し、そのリスクを受け入れる気持ちがあれば、サラリーマンでも全く問題ありません。サラリーマンが悪いというわけではなく、どんな立場であっても覚悟を決めているかどうかが重要なのです。

人は、つい「なんで自分ばかり」とか「あの会社が悪い」などと愚痴や文句を言ってしまうことがあります。それは自然な感情ですが、大切なのはその気持ちを乗り越えて前に進むことです。

でも、最初から覚悟を決めてリスクを受け入れていれば、リストラされても、会社が倒産しても、自分の事業がダメになっても、その結果を受け入れて、すぐに次の行動に移ることができます。

もちろん、現状に対して大きすぎるリスクは、覚悟を決めるだけでは対処できないことが多いので、何でもかんでも覚悟を決めれば乗り切れるということはありません。

それでも、覚悟を決めて現実を受け入れることができる人こそが、一番強く、そして結果を出すことができるのです。

覚悟を決めたもん勝ち

精神論を振りかざすつもりは一切ありませんが、覚悟が決まっていなければ、何事でもやりきることはできないというのは、理解し得貰えるのではないかと思います。だから、とにかくまず初めに腹をくくって覚悟を決めることがとても大事なのです。

サラリーマンであっても自営業であっても、リスクを受け入れ、自分の選択に責任を持つことが重要です。その覚悟こそが、人生で最も大切な力であり、困難を乗り越えるための鍵となるのです。

覚悟を決め、どんな状況でも前を向いて行動することで、私たちは強く生きていくことができます。今ある不安を超え、未来に向かって一歩を踏み出す勇気を持ちましょう。それが、どんな逆境にも負けない生き抜く力となるのです。

この記事を書いた人 Wrote this article

Hiroaki Nakamura

Hiroaki Nakamura 起業家・ビジネス書作家

新規事業創出・ニッチビジネス・スモールビジネス構築を得意とする起業家/ビジネス書13冊出版(関連書籍含)。複数の事業展開の経験を持ち、現在は新規事業創出支援、設備メンテナンス事業、人材育成・組織開発支援と、異なる業種3社を経営。特に放置自転車問題とビジネスを掛け合わせた発想や手腕をはじめ、最小の労力で最大の結果を生み出す独自のスモールビジネス構築法に業界内外から注目を集める。

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