じゅうぶんな資金はないけど、独立して起業したいという人もいるでしょう。
便利屋や不用品回収など、あまり資金をかけなくても始められるビジネスはあります。
そのようなビジネスモデルには問題点もありますが、やり方によっては稼げることも。
資金をかけなくてもできるビジネスを始めるべきか、どう判断すればいいのか考えてみましょう。
資金がなくてもできるビジネスといえば
資金をかけずに起業できるビジネスとして、便利屋・不用品回収・お掃除ビジネスなどを候補にあげる人は多いかと思います。
仕入れも店舗も必要なく、小資金・トラック1台で始められるなどのメリットも多いので、起業するには魅力的に映る要素は多々あります。
私は不用品回収をリサイクル目的で、ビジネスの柱として考えた時期がありましたが、いくつかの問題があり、形にはなりませんでした。
その問題をひもとくと、最初は人に関することです。まず、これらの資金をかけずにできるビジネスはマンパワーが必要なのです。
1つ1つの仕事に人が必要になります。しかも、重いものを運んだりする場合は、1人では対応できないので、数人のスタッフを確保しなければいけません。
スタッフの確保が必要となれば、人件費が発生するため、仕事の依頼を多く取らなければならないのです。
仕事の依頼を多く取れば、不用品として回収するものが多くなります。回収するものが多くなれば、集めた不用品を分別するためのスペースが必要になります。
スペースが必要になると、そのスペースを埋めるために、もっと仕事を取らなければいけなくなります。
すると今度は、不用品を分別する人も必要になります。
分別する人を雇うと、人件費が発生するので、もっと仕事を取るようになります。仕事を取ると、不用品が増えるので、さらに大きなスペースが必要になります。
資金なしで起業できるということは…
業績を安定させるには、ある程度の仕事量を確保しなければなりません。そこで、仕事を増やすのですが、仕事が増えれば増えるだけ、スペースと人件費も上がっていくというスパイラルが起きます。
もちろん、拡大路線を取る人であれば、それはうれしいことでしょう。ある程度の仕事量で抑えるようにすれば、小さい組織で利益を上げることはできるでしょう。
ただし、今度は分別の大変さが残りますし、リピート性の低さ、そして何より参入障壁の低さがネックになります。
また、人が嫌がる仕事をするので、スタッフのモチベーションの低下や人材の確保の難しさ、ライバル競争による低価格化など、表面から見えない本質的な問題をクリアするのが大変(シンプルにできない)ということがわかりました。そこまでのリスクを推してまでやるビジネスかを考え、自社でやらないという決断をくだしました。
しかし、着物リサイクルビジネスで作り上げた集客のノウハウがあるので、仕事を取ることはできます。現在は、受けた仕事は外注にお願いするようにしています。
これなら、電話1本で全てのコトが済むので、非常にシンプルにお金を生むビジネスモデルになっています。
それだって、実際に自分がやってみたからこそ分かったことです。なので、初めはやはり自分でやってみることが大事です。
資金はいらなくても人が必要
便利屋やお掃除ビジネスは、マンパワーが必要不可欠です。
スタッフを雇い入れずに自分1人でできなくはないかもしれませんが、自分1人で対応することは、飲食店と同じです。体力的にも精神的にも充実しているときは良いですが、そうでなくなっった場合は、収入の道が絶たれることを意味します。それらのリスクもきちんと考慮したほうが良いでしょう。
また、そもそも人がやりたがらない仕事が多いため、人材確保の問題が常にありますし、人材の質に関しても疑問が残ります。
経営者であれば、仕事が入ればお金になるのでうれしいのですが、従業員から見れば汚い現場に好んでは行きたくありません。離職率がどうしても高くなり、人の入れ替わりが多くなります。
しかも、特にノウハウが必要なビジネスではないので、やり方だけ盗んで独立してしまうということもあり得ます。不用品回収したものの中で、高値で売れる家電などを、勝手に輸出業者に売ってしまう横流しなどがひんぱんに起きて困ることも実際にあるそうです。
参入障壁が低ければ、業界全体で価格破壊などが起きてくるので、そういう面も考慮する必要があります。
ただし、不用品回収などは法律的にかなりグレーな部分があるので、一流企業は参入してこないと予想できますし、需要はこれからもまだまだあるでしょう。
さらに、集めた不用品を輸出したり、リサイクルとして販売したりすることで、キャッシュポイントを生み出すことができます。少しだけ複雑になったとしても、複合的にお金を生みやすいというとらえ方ができるかもしれません。
集客力があって、良い外注先を確保できるのであれば、私のように電話1本でコトが済むので、総合的なメリットデメリットを考慮し起業するかどうかの判断をすれば良いと思います。
「資金がなくても起業できるビジネスモデルとは?」まとめ
小資金でもできるビジネスにはマンパワーが必要。始めるかどうかは総合的なメリットデメリットで判断しよう。