いつの時代にも、流行りの商品やサービスはあります。
ビジネスによっては、流行を取り入れることは大切です。一方で、流行りの商品は大手企業とバッティングすることが多く、そのブームが終われば売れ行きも止まってしまいます。
このように流行りのビジネスはコントロールできない要素が大きいものの、ブームをうまく利用すればお金を生む可能性もあります。
今回は、稼ぐために流行をどう扱うか、そのノウハウについてお話します。
稼ぐためには流行に敏感になることも大事?
商品でもサービスでも、「流行」というものが必ずあります。ビジネスによっては、流行を取り入れることで、とても大きなアドバンテージや結果をもたらしてくれるので、無視することはできません。
しかし、流行を追うのは、とてもリスクが大きいという面があります。ここでは流行という言葉を使っていますが、季節商品もこれに含まれます。
まず物販を見ていきましょう。流行りの人気商品は一気に仕掛けるので、資本力のある大手とのバッティングは避けられません。
いつも付き合いのある大手との取引を優先させるのは、普通に考えても理解できます。したがって、小さい街の小売店では、仕入れ値が高かったり、仕入れるのが難しかったり、大量のロットでなければ仕入れられないなど、仕入れをコントロールできないという実態があります。
また、小さい規模の小売店が普通に仕入れられるようになるころには、ブームの終焉が近づいているというです。その去り際を見誤ると、大量の在庫が残ってしまう危険性があります。
ブームというと、季節商品をイメージしていただければ分かりやすいでしょう。アパレル業界を例にとると、夏の新商品を定価で売ることができるのは、春の終わりころから夏が始まるころの短い期間です。夏真っ盛りには30パーセントオフは当たり前になっています。
しかも、大手ファッションショップは夏ど真ん中に秋物を投入してきます。
稼ぐことは商品を回転させることが前提
アパレル業界は、常に旬を生み出さないと商品を回転させられないので、流行を生み出すことが必須です。加えて、その流行に乗った商品を、いかに高速で回転させるかが肝なので、スモールビジネスには不利な要素がありすぎるといえます。
なにより商品ありきのビジネスなので、ヒット商品が出なかったり手に入らなければ、売り上げ低迷は避けられません。また、それを避けるため取り扱うジャンルを広げると、在庫の問題が輪をかけて襲ってきます。
ブームの間は黙っていても商品は売れるので、イケイケで攻めることができます。しかし、いったんブームが去ると、商品の回転は瞬間的にストップし、不良在庫ができます。
それをうまくコントロールしようとしても、完全に売り切るというのは難しいのです。仮に、ひとつひとつの在庫数はわずかでも色・サイズ・形などをそろえるうち、気づいたときには結構な数になっていることがよくあるのです。
ブームが過ぎた商品は安くすればするほど売れ残り感が出てしまうので、それを売り切るよりは、不良在庫として処分する方が良いでしょう。
稼ぐ「タイミング」をコントロールできるか
次に、流行をサービスの面から見てみましょう。
サービスは商品とは違い、在庫を抱え込む心配はありません。とはいえ、飲食店などの場合は、ブームに合わせた設備投資や内装を変えるなど、お金がかかります。
しかも、ブームだけを追いかけると、それが去った時は悲惨極まりない状態となります。もちろん、ブームを追って、次から次へと店舗展開する戦略を主とする企業もありますが、とにかく資本力が物を言うので、スモールビジネス向きではありません。
ブームはとても早いスパンで去っていきます。そのタイミングについても、コントロールできない要素が多く不確実なビジネスです。
いずれにしても、スモールビジネスの視点からは、流行だけを追いかけるビジネスには関わらない方がよいでしょう。
しかしながら、流行を中心に事業を考えるのではなく、流行の一部を取り入れるという考え方は大切です。上手くミックスさせていくことで、ブームの威力を発揮できるでしょう。
特に地方であれば、常に最新のブームをけん引するショップとしての地位を確立できれば、面白い展開は可能かもしれません。ただし、在庫や利益など、いろいろとクリアしなければならない問題が常にあることを忘れてはなりません。
このひとつだけでも、読んでいて複雑に感じるかもしれません。読んでいて複雑に思えるなら、実際にやってみればその何十倍も複雑ということです。
稼ぐためには最新情報よりも大切なことがある
利益・コントロール・在庫・資本といった面から見ても、かなりハードルが高いといえます。
情報にも流行り廃りがあります。例えば、ネットビジネスは、その最たるものと言っても過言ではないでしょう。テクニックやノウハウもそうです。
もちろん、タイミングよくそれらを活用すればお金を生み出しやすくなります。しかし、気をつけなければならないのは、常に新しい情報を追い求めてしまうことです。
新しい情報自体は悪くはないのですが、最新の情報を求めている人はその情報が浸透する前に飽きて、また新しい情報を求めようとする傾向があります。
ノウハウやテクニックの場合は、新しい情報を求めるのはわかりますが、多くの人はそれほど速いスピードで新しい情報をキャッチしていません。そういった一般の人とのズレには気をつけることが大切です。
最新情報をキャッチすることよりも、結果を出すことが全てなのです。惑わされないようにしてください。
「稼ぐために流行りのビジネスに手を出すのは正解か?」まとめ
スモールビジネスにとって、流行りのビジネスはコントロールできない要素が多すぎる。流行にどっぷり浸かるのではなく、流行の一部を取り入れよう。