起業して事業が軌道に乗れば、会社を大きくしたいと考える人が少なくありません。
事業規模を大きくすれば、優秀な人材が集まり、大きく収益が上がって経営が安定し、経営者としてはラクになるように思えます。しかしながら、この考え方は必ずしも正しいのでしょうか?
事業拡大にはデメリットもあることをお伝えします。
事業拡大イコール安定化ではない?
私はある時期、事業規模を大きくして盤石の経営体制を整え、自由な時間とお金を手にしようとしていた時期がありました。
事業を拡大すれば、優秀な人材が入社し、私の代わりに素晴らしい企画を生みだし、収益を上げてくれるのではないかと考えたのです。
そこまでビジネスを形にすることができれば、経営は安定してラクになり、私が求める結果を手にできると思っていました。
そのような考えと背景から、瞬間的には最大で50名以上のアルバイトを雇っていた時期があります。
ただ、もうそうなると何が何だかわかりません。
給料を払うのも誰に払っているのかわからない。その金額が正しいのかどうかも分からない。備品などを揃えるだけでもお金がかかるし、その備品もいつの間にか無くなっている。事務手続きも煩雑になる。勝手に休むし勝手に辞める。とにかくめちゃくちゃでした。
事業拡大が招いた悪循環とは
そして、「売上げがあがってもお金が全く残らない」。という一番衝撃的な真実を知ることになったのです。
人を雇うということは、毎月給料が発生するということです。それ以外でもお金は湯水のように流れ出ていきますが、一番大きな出費は人件費でした。
人を雇い入れた当月は、売上げは「ガツン」と伸びましたが、伸びた分は結局人件費で消えていくという状況になっていたのです。
人を使うことで、今以上にビジネスを回転させ収益を上げ、経営を安定化し、ラクにするということが目的だったにもかかわらず、売上げを伸ばしても人件費で消えていくという悪循環に陥ってしまったのです。
実際には、利益率が高いビジネスを行っていましたから、それなりにお金は残りました。でも、私には事業を拡大させてはいけない理由がこの時見えたのです。
「事業拡大すれば、収益が増えて経営が安定しラクになる?」まとめ
事業を拡大すると、スタッフが増えることにより管理が煩雑にになり、売上げが伸びても人件費で消えていく事態にもなり得る。