飲食業は独立起業して始める業種の1つとして根強い人気があります。
飲食関係は開業しやすくメリットもある一方で、飲食店を経営していくには、非常に多くの要素がからみ、ビジネスが複雑になりやすいのです。
あこがれる人も多い飲食店ですが、実のところ、スモールビジネスとしてはどうなのでしょう?
脱サラ、起業してからのことを考える
脱サラして飲食系で起業するというのは、ちょっとしたあこがれや夢があるらしく、根強い人気があるようです。
私は和食の調理人として7年間仕事をしていました。調理の経験があるから飲食店で成功するかと言えば、それは話が異なり、飲食経験がなくてもじゅうぶん勝負はできると思います。
ただし、飲食に限りませんが、それでも、飲食は特に、味、料理のジャンル、店の雰囲気、接客、流行、価格、集客、人材、立地など、非常に多くの要素がからみあいます。
実際には、ちょっとした小さなお店を構えようとするだけでかなりの金額が動く上、多くの要素がからむので、ビジネスが複雑化します。
私が調理師から足を洗った理由を簡単にお話すると、朝から夜まで働きづくめだったからです。調理師をはじめ美容師などもそうですが、どうしても体力勝負の要素があります。
若い時は体力的にも無理はききますが、歳を重ねてもその仕事を続けていくイメージが持てなかったのが、調理師を辞めた正直なところです。
もちろん、起業しやすいですし、リピート性は高い、差別化もしやすい、やり方によっては利幅もとりやすい、マニュアル化できれば展開の幅が増えるなどのメリットはあります。なので、否定はしませんが、私の提唱するスモールビジネスの視点から見ると、リスクが高い気がします。
脱サラする そもそもの目的は?
そもそも、「一家4人が食べていく」ことに立ち返ると、そこまで資本を投資して、リスクを背負って起業すること自体に疑問が残ります。
ビジネスはあなたの人生を豊かなものへと導くための手段であることを忘れないでください。脱サラや起業を考えると、いつの間にか手段と目的がごちゃごちゃになってしまう場合が非常に多いので、なぜ脱サラして起業するのか、なぜ起業したいのかを、常に問いただすことが必要です。
もし、飲食店で働いた経験がなく、それでも飲食系で起業をしたいのであれば、まずは飲食店で働くことをおすすめします。飲食店は常に人材不足ですので、ある程度年齢を重ねていたとしても、アルバイトでも何でも雇用形態を選ばなければ働けます。
1年でもいいので下積みを経験して、それでも飲食店で起業する情熱を失うことがなければ、真剣に考えてもいいかもしれません。
業種業態に関係なく、お金さえあればお店を出すことは誰でもできます。
しかし、本当の山はその先の「稼ぎ続ける」という所にあるのです。そのためには、まず体力的にも精神的にも続けられて、お金を生み出せることが大切なのはいうまでもありません。
体が資本のビジネスは、それらをきちんと踏まえて考えることをおすすめします。
「脱サラして飲食店、あこがれる人は多いけど…」まとめ
飲食での起業はハードルが低そうだが、体力勝負でもあり、ビジネスも複雑になりやすい。なぜ、起業するのか、本来の目的に立ち返って考えよう。